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作家としての覚悟
  

                ◎ 松井 計  『ホームレス作家』                              


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 最近、会社の帰り道は、家まで走って帰っている。
 寒すぎるので、走らずにはいられない。
 
 でも、青森の寒さに比べると、埼玉や東京の寒さは、まだまだ甘い。青森の
 寒さは、寒いのはもちろん、これに雪が加わる。 さらにその雪がふぶきで
 顔に直接当たってくるときは、たまらない。顔が痛くなるのだ。

 顔も手も足も全部全部、泣きたいくらい寒い時がある。
 だから路上生活の浮浪者は青森の寒さのなかでは生きていけない。
 そのせいで、おれは東京に出てくるまで、浮浪者は言葉で知っているだけで、
 実際に目にする事はなかった。

 浮浪者をよく目にするようになったのは、浅草の映画館でオールナイトには
 まってからだ。
 オールナイトを観終わった後は、さすがに疲れていた。
 けだるい体と映画酔いしたようなボーとした気分で、映画館を出て浅草駅ま
 での道のり、そこに突然わいたかのように現れている、浮浪者。
 日中は、まるっきり見あたらないのに、どこから現れるのか?
 即席のダンボールハウス、そしてダンボールのふとん代わり、それとかなり
 離れているもかかわらず、漂う異臭には驚いたものだ。

 最初は驚いた浮浪者だが、そのうち見慣れると、うらやましく思えるときも
 あった。
 いやいや仕事に向かうとき、駅の通路で大の字になって寝ていたり、または、
 帰り道、どこで調達したのか、酒を囲んでの浮浪者同士の宴会。
 こちらが、もっていない『なんでもありの自由さ』を確保できているかのように
 見えてしまう。

 だから「ホームレス作家」とゆう題を本屋で見たときは一瞬、迷った。
 ホームレスにも興味があるし、そのホームレスが作家とゆうのもユニークだ。
 買おうかな?と、思った。
 
 そのとき、また別の考えも浮かんだ。
 著者にとって作家が先なのか、ホームレスが先なのか?

 作家なのに、ホームレスになってしまったとしたら、それは、その作家がよほ
 どなまけていたか、もしくは、作家としての実力がなく、ホームレスになったの
 では?

 逆に、ホームレスから作家になった場合。 
 自分の職業を始めとして、もろもろの事を捨てるからホームレスになるわけ
 で。
 『作家とゆう職業も、作者にとっては、気が付かないうちにまた捨てたくなる
 のでは?』
 『どちらにしても、軽く読めてしまう底の浅いノンフイクションなのではないか』
 とおれは思った。
 そして何度か本屋で題名を目にするのだが、そのたび素通りしていた。

 小さな本屋で再度、目にした。きまぐれで手に取り、ところどころを読んでみ
 た。おもしろい。底が浅いのは自分の方であった。
 読み始めると、本の中に引き込まれてゆく。
 けっして、才能のない作家なのだからホームレスになったわけではないの
 だ。

 作者は、公団住宅を強制退去処分になった、前の年には作家として500万
 の収入があったとゆう。
 その収入があっても、次の年にはもうわからない。
 保障のない生活だから当然といえば、当然なのだが。

 同じ作家が援助してくれる場面がある。作者が礼を言った事に対しての答え。
 「誤解せんでください。ぼくは他人事だとは考えてないんです。もの書きなら
 誰でも、いつそうなってもおかしくないですからね。お互い様ですよ。実際、
 ぼくだってほら……」

 この友人は、ベストセラーランクに顔を出す書籍を数冊、続けて出していた
 との事。一度、不測の事態が起こって歯車が狂い、とたんに苦境に襲われ
 てしまった。

 つまり、この本は、作家を続ける事の覚悟を問う内容にも読める。
 たとえば、作者がホームレスになっても、作家を捨てないでいる理由はな
 にか。
 書く事の原動力となっている生命力が、この言葉の中にある。

  陳腐な言葉を遣えば、作家としての矜持、というものであったかもしれな
 い。私の脳の奥深いところから、書け、書け、と命じる声が聞こえていた。
 妻とのことも、そして、路上での生活の逐一も、嘘偽りなく記して残せ。臆す
 ることなく・恥じることなく・繕うことなく・飾ることなく、総てを書け−−−と。
              (中略)
  そして、やっと私は思い至った。<良人失格><父親失格><作家失格>
 <勤め人失格><浮浪者失格>と、ありとあらゆるものから<失格>の
 烙印を捺された私が、何か一つ、取り戻すことができるとしたら、私は迷わ
 ず作家の部分を選ぶのだと−−−。


 作者「松井 計」のこの覚悟に、ぼんやり生きている自分の顔をなぐられた
 ような気持ちになった。

                  2004年1月24日

  


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